現代医学の医療効果
「80%の患者は、現代医療を適用しても、良くも悪くもならず、自然に体調は落ち着いていく。医者の治療は、それが有害でない限りにおいて、この原則的経過に影響は及ぼさない。
10%ちょっとの症例では、現代医療の治療が劇的な効果を発揮する。
しかし、残りの9%程度の症例については、医者の診断や治療が不適切だったため、不幸な結果を招いている。」
この見解は、アメリカ、ボストン大学内科教授(インゲルフィンガー博士)が論文で発表したことです。
ちょっと古い話ですが、1970年代に、コロンビアのボゴタ、アメリカのロサンゼルス、イスラエルで、医者が50日前後もの長期間ストライキをしました。この間、救急医療以外は一切行なわなかったそうです。
その結果どうなったかというと…
これらの都市の死亡率が、25%(ボゴタ)、18%(ロサンゼルス)、イスラエルにいたっては50%も減少したそうです(手術の件数も数十%減少)。
現代医療が圧倒的に優れている分野は、事故などで外傷を負ったときの手当てと細菌感染症の治療です。救命救急医療においては、他の方法、民間療法などよりはるかに現代医学は優れています。
その理由は、現代医療、医学は、第一次世界大戦で多数の傷病兵士の治療を行う必要があったことやペストやコレラの大流行の経験から、外科的処置や治療、手術の方法と細菌感染症の研究が盛んに行われた結果だそうです。
ただ、我々の多くは、現代医療で、かなりの慢性的な病気も治せている。手術や投薬などの治療、検査もほとんどが有効で、病院の治療を受けないと死亡率はすごく高くなると、漠然と信じていますが、こと、日常的にかかる病気に関しては、実態(事実)はそれとは逆のようです。